公演に寄せて
「80歳を目指して」
80歳の誕生日をを目前に控えて私には3つの大きなプロジェクトがある。
ひとつは草笛光子さんとの「音楽と物語」で、現在東京と南相馬での公演を終え、この6月には大阪、札幌、仙台での公演がある。
3番目のプロジェクトは80歳の誕生日に「ピアノ協奏曲4曲」を高関健さん指揮の東京シティーフィルと演奏することであるが、その前に2番目のプロジェクトとして、3つの協奏曲を初演することで、オーケストラは長年私を支えて数々の協奏曲を一緒に演奏してくれた東京ユヴェントス・フィルハーモニーである。指揮は才能も意欲も溢れんばかりの新鋭坂入健司郎君。私も含めて皆が慶應義塾の出身である。
プロのオーケストラはどうしても保守的になりやすく、新しい作品をレパートリーとするまで何年も待たなければならないが、若い人たちは自分達がよしとしたことをすぐ実行に移す。その意気こそが新しい世界を切り開く原動力となるものだ。
今回が東京初演となる平野一郎さんの二重協奏曲<<星巡りの夜>は宮澤賢治の世界を思って作曲された、日本で初めての二重協奏曲。
息子のヤンネと一緒に弾けるのが嬉しい。
舘野 泉
2016年6月18日 第一生命ホール
舘野泉 3つのピアノ協奏曲 初演
http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=414&lang=1